この春、就職という人生の1大イベントを迎えた新社会人の皆さま。ようこそ、定年の40年後まで終わりない地獄へ。
既に社会人の洗礼を受けて、くじけそうな人もいるかと思いますが、ここでひとつ社会人の先輩としてもっと現実的な話をしたいと思います。
現役新卒で大企業に入社した方へ
新卒の方なら誰もが目指す、現役新卒での大企業入社。給与や待遇面だけでなく、自身の経歴にも箔が付き、正にエリート街道一直線。
名を出せば誰もが知っている有名企業に、実家の両親は喜んでくれて親孝行になった。合コンでは、将来有望な若者にたかる、肉食系女子からの熱いラブコール。全てがパーフェクトな状態に浮かれ気分になるのも仕方ありません。
しかしそれと同時に、新卒大手入社には大きなリスクがある事はあまり知られていません。
同期入社のライバルとの激しい出世争い
新卒入社を言い換えれば、一つの企業に多くの同年代・同スキルの人材が同時期に数名入社すると言う事。つまり必然的に競争の場が生まれます。
それが大手企業ともなれば大量採用が当たり前。せっかく仲間になれたのに、勝たなければならな敵が多い事を意味します。
さらに、ここ数年間の新入社員はいわゆる「ゆとり世代」として、「競争」という言葉の無い、とても甘い環境で育てられてきました。私自身もそうです。
「誰かと人生を賭けて競い合う」という環境をほとんど知らない我々ゆとり世代に、この現代社会はあまりにも厳しいのです。まさに経験したことのない未知の世界とでも言いましょうか。
当然その中で、秘められた潜在能力を発揮し、グングン頭角を表す実力者も現れます。ですが、残念ながらゆとり世代のほとんどは、簡単に心が折れてしまう言わば「ヘタレ」ばかりというのも事実。
近年の新卒入社の退職率は著しく高いというのデータも出ています。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/24.html
辞めた新入社員は働くことがトラウマになる
現役新卒で入社した大企業。しかし、抱いていた理想とはかけ離れた現実に入社数ヶ月で退職。理想とのギャップが大きいほど、次の仕事に対する不安や恐怖心は大きいはずです。
上手く心を切り替えて、立ち直れる撃たれ強い人間であればいいのですが、今の現実から逃げるという選択を選ぶ人も少なくはないのです。
フリーターという働き方を選ぶ人のほとんどは、「バイトなら働くことに対して責任がないため気楽に働ける」「最低限の生活が出来る収入があればいい」「仕事にやりがいや生きがいを求めるつもりはない」など、かつて面接で声高々と言い放ったの志はみじんも感じられません。
そして、フリーター以上に働くことに抵抗を持つ人はニート、つまり無職という道を選ぶのです。
一度ニートになると抜け出すのに時間がかかる
私もニート経験があるので、彼らの気持ちは痛いほど分かります。誰かに肩を抑えつけられている感覚に近いんです。
働く事が嫌なのではないんです。むしろ早く社会復帰したいんです。常人と同じように堂々と生活したい。でも怖いんです。
あの時、新卒で入社した時の光景を思い出すと、履歴書を書く手が止まる。
求人サイトは見てるけど、こんなに求人情報あるなら大丈夫だな。
給料とか待遇とかもう少し良い条件の求人があるんじゃないの?
予定がないから、締め切りもない。だから「明日でもいいか」という気持ちになる。そしてまた次の日も同じ。そうして1ヶ月、3ヶ月、半年と過ぎていく。
働く気がないのではなく、働くにあたっての選択肢が多い。そして危機感が薄れていく。
仕事を本気でしないでいいと思っているニートなんて、ほんのわずかなんです。
第二新卒として再就職
フリーター、ニートという道を経て、もう一度、社員として働くことを選んだ時。失った時間の大きさを知ることとなるでしょう。
「新卒」「第二新卒」「中途」。この3つに順位を付けるとするならこうなります。
新卒 ≧ 中途 > 第二新卒
企業にとって新卒は、年に一度の大投資。真っ白なキャリアに我が社の色を付ける事が出来る貴重な人材。
企業にとって中途は、今欲しい即戦力。研修期間もわずかで済み、すぐに費用対効果を発揮する助っ人的な人材。
この点から、企業にとって第二新卒はどういう存在だと思いますか?
そうです。新品(新卒)でもなくレア物(中途)でもない、ただの「売れ残り」なんです。
新卒競争に敗れた人間。新卒より出だしが遅れた人間。そんな目で見られます。
新卒で大企業に入社した時と比べて、給与、待遇共にまともな条件はありません。若くもない。経験もない。そんな人材に投資する、ギャンブルのような事はできません。
せっかく第二新卒としてフリーターやニートから抜け出せても、こうした社会的地位の違いの境遇に直面することでしょう。
されど絶対に諦めるな、若者!
第二新卒とは一般的に、学校卒業後2~3年の期間のこと。つまり、まだまだ若い。
20代前半であれば、ほとんどの企業は「職歴など不安はあるが、投資する価値はある」と判断しています。不況と言われた現代でも、求人という市場は右肩上がり。どの企業も人材が足りていないんです。
今まさに、せっかく入社した会社を辞めようとしている、または辞めてしまった新卒の君たち。じっくり考える時間はある。だから、もう一度人生の軌道修正をしよう。
必死に練習した面接。履歴書の書き方。社会人として歩み出そうとした時の気持ち。これらを忘れる前に。
社員として再出発を目指す
もし、まだ社員として働くことに不安があるなら、無料のカウンセリングもどんどん利用する。一人で悩むより、誰かに相談して問題を根底から解決したほうが効率的。
ハローワークは仕事を紹介するだけで、親身になって相談には乗ってくれない。なので、こうした転職サイトの運営会社が開催するカウンセリングでいろいろ聞いてみると良い。
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