レストランや体験型プログラムを通常の価格より50〜70%ほど安く利用できるサービスのGROUPON(グルーポン)。
一度は利用したことがあるといった方もいるのではないでしょうか?お店側と顧客側の双方にメリットがあり、全盛期はかなりの盛り上がりをみせていました。
人気のクーポンとなれば数千単位での購入数も当たり前で、グルーポンユーザーは競って激安クーポンを買っていましたよね。
しかし、最近ではその盛り上がりが全く感じられない。テレビやネット広告でも全く目にしない。
存在感が薄くなったグルーポン
グルーポンがリリースされた当初は、何度か利用したことがある。都内に住んでいたとうこともあり、路地裏の隠れた居酒屋、イタリアンレストラン、宿泊施設などお得に利用した。
しかし、ここ最近、グルーポンの存在感が薄い。ただ単に、自分が全く利用していないだけだからかもしれない。
しかし、当初ほどメディアへの露出も少なくなった気もする。一体なぜグルーポンは衰退したのか?その理由は大きく分けて2つ考えられる。
クーポンに掲載する店の質問題
そもそもグルーポンとは、新規顧客を引き寄せるために店側が身を削り、格安で食事やサービスをクーポン購入者に提供するもの。
しかしその大前提にあるのが「人気のないお店」ということです。口コミサイトやブランド力では集客ができない、つまり2流〜3流の店舗が赤字覚悟で行う宣伝方法なんです。
店側の目論見は「新規顧客の獲得とリピーターの囲い込み」ですが、そもそもそんな質の低い店にまた来たいと思うお客がいるのでしょうか。いやいません。
つまり、グルーポンに掲載して宣伝効果を実感したクライアントが圧倒的にすくなく、クーポンのバリエーションが下がり、結果的にグルーポンのサービスクオリティも下がったと言えます。
ユーザーリテラシーが高くなった
そしてグルーポンは衰退したもう一つの要因は、クーポンの購入者である利用者側のユーザーリテラシーが高くなったという点です。
グルーポンのサービス開始時では「半額で食事ができる!」といった状態でした。それはまるでスーパーのタイムセール品に飛びつく主婦のようでした。いち早く激安のクーポンを手に入れることで精一杯。なぜ安くなるかを考える隙間もなかったでしょう。
しかし、今ではクーポンで安くなる理由をほぼ全員の利用者が知っており、安さの逆に裏をさぐり、購入をためらうようになった。
この現象を例えるなら、閉店すると言って1年以上も閉店セールをし続ける店が最適な表現でしょう。
閉店セール初日は多くの客が店舗に押し寄せ、最初で最後の格安商品を奪い合う。しかし、閉店セール6ヶ月後となれば「まだやってるわ」「いいかげんにしてよ」といった思考に変わる。
グルーポンでも同じような現象が起きており「前に購入したクーポンの店みたいに、とんでもないレストランかも」「あのお店、結局駅から遠いし、美味しくなかったよね」といった会話が繰り広げられているに違いありません。
安いだけでは生き残れない時代に生きる
「安かろう悪かろう」といった言葉がありますが、全てがそれに該当するわけではありません。
格安スマホや通販型自動車保険など、今まで削られなかった無駄を省き、削減したコストの分だけ顧客に還元した画期的なサービスもあります。
しかし、一番重要なことは個々がそれを見極める力を持つことです。
店側であれば、グルーポンでクーポンを掲載することが本当に最善策なのか?ぐるなびや食べログといった口コミサイトへの登録の方が費用対効果が良いのではないか?客側であれば、その商品がなぜ安いのか?といった思考能力をさらに鋭く鍛えていくべきなのです。
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