最近話題となっているカジノ型やアミューズメント型と呼ばれる介護サービスをご存知でしょうか?高齢者の認知症予防にパチンコや麻雀をといったものを取り入れた注目の新サービスです。
今回はカジノ型やアミューズメント型と呼ばれる介護サービスについて特集したいと思います。
パチンコや麻雀をレクリエーションにしたカジノ型デイサービス
日本エルダリーケアサービスが運営する横浜市都筑区のデイサービス「ラスベガス横浜市都筑店」では、パチンコや麻雀を取り入れたレクリエーションが行われています。
こちらのカジノ型デイサービスでは、ストレッチやリハビリといった運動、食事、入浴といった基本的デイサービスのプログラムも行われますが、利用時間の半分以上がレクリエーション、つまりパチンコや麻雀で遊ぶということになっています。
パチンコや麻雀では、現金ではなく「ベガス」という疑似通貨を使用。毎回2万のベガスが支給され、利用者はパチンコ台や麻雀台に向かって賭けを楽しみます。
ベガスの換金システムはなく、サービス終了時に最も多くのベガスを獲得した利用者は表彰されます。
パチンコ好き同士、麻雀好き同士が集まるため、レクリエーション中は会話が弾み、利用するお年寄りはデイサービスに通うのが楽しみで仕方ない様子。
この会社が運営するカジノ型デイサービス、横浜以外に、東京、愛知、神奈川など8カ所に展開しており、どの事業所も大盛況とのことです。
パチンコメーカーも介護業界に参入
パチンコメーカーの豊丸産業は「トレパチ!」という介護現場向けのパチンコ台を開発し、現在は特許申請中とのこと。
「トレパチ!」は単なるパチンコ台ではなく、カジノ型介護サービスに適した商品になるよう、随所に工夫を凝らしています。
玉を出すハンドグリップは若干硬めに調整されており、ひねることで握力を鍛えられる。パチンコならではあの騒音は、独自開発した専用球を使うことにより静かになるよう改良済み。さらには、誤飲防止のため台の外にパチンコ玉が出ない仕組みとなっています。
中央のスロット機能は、タイミングよくボタンを押し絵柄を揃えれば大当たりになるので、ちょっとした脳トレにもなります。
関連リンク:http://be-selfish.jp/torepachi/
アミューズメント型プログラム導入で介護度改善
山口県の介護施設「夢のみずうみ村」では、入居者向けの介護プログラムにルーレットといったカジノを導入しています。
こちらの施設でも、現金の代わりに疑似通貨「ユーメ」を用いており、カジノ以外でも利用可能。
疑似通貨のユーメは、個人目標のリハビリをこなしたり、入居者が他の入居者を支援することで獲得することができるシステムとなっています。
入居者は、カジノに限らず様々なプログラムを利用するために疑似通貨を稼ごうと奮闘。一般的な老人ホームで暮らすお年寄りとは違い、イキイキとしている姿が印象的です。
実際にこうした取り組みを裏付けるデータも出ており、介護度の改善割合が全国平均の11.5%に対して、この介護施設では76.9%と極めて高い水準となっています。
関連リンク:http://yumenomizuumi.com/
高齢者の引きこもり対策
埼玉県和光市でも同様にカジノ型デイサービスを導入しており、ある介護問題の改善に取り組んでいます。その介護問題とは「高齢者の引きこもり」です。
高齢者の引きこもりは男性に多く、デイサービスに行きたがらない、興味がないことはやりたくない、誰かと関わりたくないといった感情が原因と考えられています。
そこで、パチンコや麻雀といったカジノ型デイサービス開始したところ、導入前は1割程度だった男性利用者も、導入後は男女比が半々になるまで改善。
男性が楽しめるレクリエーションを導入したことによって、一つの介護問題が解決した良い事例となりました。
関連リンク:http://toyokeizai.net/articles/-/31613
退屈なレクリエーションとはオサラバ
しりとり大会、朗読会、風船バレーボール、折り紙、体操…。これらは一般的なデイサービスで行われているレクリエーションで、こうしたプログラムは介護職員やリハビリ専門士が考えています。どうすれば利用者が楽しく取り組めるか、毎回思考を凝らして企画運営されています。
しかし、ありがちなレクリエーションに嫌気を覚え、デイサービスに行きたがらない、真剣にレクリエーションに取り組まないといった高齢者も少なくありません。
そうした中、パチンコ、麻雀、ルーレットといったギャンブル性のあるレクリエーションの導入は奇策であり打開策でもあるでしょう。
一部では、デイサービス外や介護施設外でギャンブルに依存してしまう危険性がある懸念の声も上がっています。実際にこれらを規制する動きもみられます。
しかし、今回ご紹介した実例を見ただけでも、カジノ型やアミューズメント型のレクリエーション導入が、介護問題の改善に繋がることは明白。
山口県の介護施設「夢のみずうみ村」も規制に対して公式に見解しています。
関連リンク:規制に関する「夢のみずうみ村」の公式見解
言ってしまえば、現在の日本の介護は世界水準でも最低レベルです。このままの正攻法では改善が間に合わず、ますます介護の現場は悪化する一方でしょう。
一刻も早い介護問題の解決のため、今後はさらにカジノ型やアミューズメント型のレクリエーションをはじめ、革新的な介護サービスはさらに導入すべきだと私は考えます。
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