夢も目標もない中、興味もない作業のような業務を淡々とこなす。定められた労働時間はあってないようなものでサービス残業は当たり前。酷い時には休日出社も強いられる。
それと控えに与えられるものが、安定した毎月の給与と社会保険。それが正社員。
気が付けば一年、また一年と同じような時間を過ごしているなんてことも。
「正社員がいい」「正社員じゃなければダメ」「正社員が当たり前」とは言うけれど、そもそも正社員の何がいいのか?自分の経験を踏まえて考え直してみます。
正社員で働くメリットとは?
そもそも正社員として働くメリットとは何でしょうか?フリーターと比べてどのような差があるのか確認してみます。
社会保険に入れる
ほとんどの正社員は、健康保険、雇用保険、厚生年金保険、労災保険などの社会保険に加入していると思います。
社会保険は、個人で加入するよりも安い金額(会社が何割か負担してくれる)で安心の保証が受けられます。これが正社員のなによりの強みと言ってもいいでしょう。
賞与(ボーナス)がもらえる
会社によって大きく違いますが、月々支払われる給与とは別に、特別手当として別途支給される給与で、賞与やボーナスと言われます。
平均的に現在の給与の3ヶ月分とも言われていますが、実際のところせいぜい2ヶ月分程度ではないでしょうか。
それでも、給料が少ない若手社員にとっては、フリーターや契約社員との年収の差は賞与によって生まれると言っていいほど大きなメリットです。
毎月の安定した収入の保証
フリーターは働いた時間日数に応じて相応の給料が支払われますが、正社員であればよっぽどのことがない限り毎月同額の安定した収入が保証されています。
有給休暇・福利厚生・その他待遇など
会社にもよりますが、正社員にはフリーターにはない嬉しい待遇が数多くあります。固定給の正社員ならではの有給休暇。私の会社では年間で10日の有給が付きます。
その他にも会社のお金で行く社員旅行や提携する関連施設の料金割引など、上手く活用出来ればお得なものばかりです。
キャリアアップの道がある
会社の経営に関わるポジションに就くチャンスが与えられます。会社で上を目指すためにも正社員であることは必須条件でしょう。
社会的な地位を獲得できる
家族、友人、恋人からは「正社員」という事で、安心と信頼を得る事が出来ます。女性であれば、結婚するなら旦那は正社員であることが絶対条件という方も多いのではないでしょうか。
融資を受ける際に有利
銀行などからお金を借りる際、車や住宅などのローンを組む際に「正社員」という肩書きがあるかないかでは大きく違うと言われています。これは信頼性の問題ですね。
しかしながら正社員は勝組ではないという現実
少し昔と比べて今の「正社員の価値」は大きく変わっています。上記の「メリット」の半面、目に見えない「デメリット」によって失う物の大きさと多さをしっかり知ることが大切でしょう。
正社員とは会社に従たる者
正社員とは会社に忠誠を誓い、会社の方針に沿ってあらゆる業務をまっとうすることを義務付けられた雇用形態。
ただ単に最低限の給料を払うだけのフリーターとは違い、社会保険、固定給、有給休暇、福利厚生、待遇、キャリアアップのチャンスが対価として与えられる代償である。
サービス残業は暗黙のルール
ブラック企業と騒がれても一向に改善しない労働時間。残業時間などは絶対に記録しない。完全黙秘が当たり前。「雇われの身が逆らう事はないだろう」と完全に舐められている証拠でもある。
中小企業のボーナスはお年玉レベル
待ちに待ったボーナスは全国平均どころか子供のお年玉レベル。パーっと使おうと考えていたのに結局生活費に消える。唯一、正社員が他の雇用形態との所得の差が出るボーナスがこのザマだった瞬間、正社員である意味を問うようになる。
社員旅行を唯一楽しめるのは幹部連中だけ
社員旅行は幹部連中の行きたい所で確定。アンケートなどあってないようなもの。よって一般社員は、いつも通り接待に追われ全く楽しめないことも確定する。
旅行先でも上司にヘコヘコするくらいなら、適当な予定をねじ込んで社員旅行には行かないという選択肢を選ぶのが堅実。そして、上司不在の会社で仕事をしていた方が喜びを感じるも事実。
そこに自分が描いていた理想の仕事内容はない
はじめから自分のやりたい仕事など出来るわけがない。あるのは上司からの業務命令だけ。チャンスがくる頃には入社当時の熱い気持ちは冷め切って、会社に求めるものは「定時退社」「楽な仕事」「高給料」。
そしてちょっとした「異性との出会い」だけになっている。
時給換算でフリーター以下の手取り
月々の給料を1ヶ月の労働時間で換算したら時給800円だった。家から徒歩5分のコンビニの方が全然稼げている。満員電車に寿司詰め状態の長い通勤時間も、人生の大切な時間という事を忘れてはならない。
昇進?現実は一生平社員
キャリアアップして人の上に立つ事が出来る人間は、ごくわずかな能力のある人間だけ。スキルも人望もヤル気もない自分には天地が逆転しても、幹部になることなど到底無理なこと。
むしろ、そんな責任がのしかかるポジションはこっちから願い下げなわけで。
道具という名の正社員は使い捨て
正社員とは、雇い主に「使い放題の機械」として極限まで使われるただの道具でしかない。
そして、その道具に価値を付けるのであれば、利益(売上)から投資(給料)を引いた差額が黒字か赤字かでしかない。
赤字ばかりの価値のない道具は捨てられる!
実力主義によって徐々に排除されていく一般社員。必要な人材か不要な人材かは結局はどれだけ会社に貢献したかで決まる。トータル赤字の人間は早々にクビを切られる。
こういった事を全て背負うのが正社員である。それを理解して「正社員」という雇用形態を選ぶべきである。
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