衣服のように体に身に付けるコンピュータ「ウェアラブル端末」。その先駆け的存在として真っ先に開発されたのが、メガネ型コンピュータ端末GoogleGlassです。
右目のレンズに小型の画面(ディスプレイ)が表示され、スマートフォン同様にインターネット上のあらゆる情報を簡単に得ることができる優れもの。
GoogleGlass自体は非常に軽く、ハンズフリーで手を使う必要もないため、サイクリング中のナビゲーションや、料理中のレシピ確認など、あらゆるシチュエーションでの活用が期待されています。
開発者向けにとAmazonなどでは既に発売済みだが、日本での一般のユーザー向けの発売は現在未定。ありそうでなかった近未来的なハイテク端末に、多くのファンは発売を心待ちにしているのが現状です。
利便性に潜む悪用性
メガネにディスプレイ画面が映し出され、場所を選ばずあらゆる情報が手に入るなど、マンガや映画の中だけで現実にはありえないと誰もが思っていました。
そういった時でのGoogleGlassの発表は、全世界中の人々を驚かせ、今までの生活をより便利にする世紀の大発明と注目も集まっています。
しかしながら、利便性の反面、悪用性が非常に高いことも事実。くしくも、人間とは武器を持つと必ず争いを始める生き物。
それと同じように、GoogleGlassを使った犯罪が起こることが、発売前の現段階でも懸念されています。
GoogleGlassの悪用:映画館
映画業界で問題になっている映画の盗撮。隠し撮りされた公開中の映画は、インターネットで無断上映されたり、海賊版DVDとして安く販売されたりしています。
GoogleGlassは動画撮影できるカメラを搭載しているため、上映中の映画の盗撮に悪用される場合も考えられます。
このことを懸念したアメリカとイギリスでは、映画館内のGoogleGlass着用を全面禁止にすると発表しています。
GoogleGlassの悪用:試験場
インターネット検索、メッセージのやり取り、翻訳、写真撮影が可能なGoogleGlassは、試験のカンニングにうってつけだと考えた人も少なくないでしょう。
GoogleGlassがあればどんな難問でも検索や知人に質問するなどで簡単に解くことが出来そうです。
また、持ち出し禁止の問題用紙も写真撮影で記録する事さえも可能です。英語の問題の翻訳だって自動でやってくれるでしょう。
携帯電話でのカンニングですら問題になっている中、普通のメガネそっくりに作られているGoogleGlassを、日本の試験官は確実に見極めることが出来るのでしょうか。
日本で正式にGoogleGlassが発売された際は、試験官が受験者全員のメガネをチェックするという異様な光景となるでしょう。
GoogleGlassによる今後のルールが変わる
映画館や試験会場以外にも撮影禁止の場所はいくつも想定出来ます。しかし、ビデオカメラやスマートフォンとは違って、手を使わずにあらゆる操作が出来るGoogleGlass。
かけているメガネを、スタッフや試験官がGoogleGlassと瞬時に見極めることが出来るとは到底思えません。
GoogleGlassを販売しているGoogleも、
携帯電話のカメラが許されないところでは、同じルールがGoogle Glassにも適用されます。もしもあなたが携帯電話の電源を切るようにお願いされたならば、Google Glassの電源も同じく落としてください。
のような禁止事項を挙げていますが、「電車内では携帯電話の使用を控えてください」と言っているのと同じでしょう。
幸いにも、まだ日本ではGoogleGlassは発売されていないので、各業界の企業や行政は、予めGoogleGlassの悪用が考えられる様々なシチュエーションを想定して、早めの対策を行う必要もあるのではないでしょうか。
GoogleGlassの機能
- ビデオ撮影
- 写真撮影
- メッセージ送信
- インターネット検索
- 画像検索
- 翻訳
- 道案内
- 天気予報表示
- Google+ハングアウトの開始
- Google Nowの使用
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