優しそうな伊藤英明という俳優のイメージをガラリと変えた問題作「悪の教典」。まさにジャパニーズサイコスリラーの大作です。多少のネタバレを交えながらレビューします。
「悪の教典」あらすじ
東京都町田市のとある高校が舞台。今の現代にとっては当たり前のような問題を抱えた学校で、一人輝く先生がいた。
主人公は、”ハスミン”こと蓮実 聖司(はすみ せいじ)32歳。生徒からの絶大な信頼と人気、そして職場の教員からも頼られる、正に絵に描いたような完璧な先生。そんな善の塊のような教師が突然引き起こした事件…。
「生徒40人皆殺し」
2010年に発行された、貴志祐介の「悪の教典」が原作で、その後2012年に『good!アフタヌーン』(講談社)にて漫画化され、同年に映画化。
監督は、「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」「十三人の刺客」の三池崇史。私的には、コントラストが強く、泥臭い映像作りをするイメージがあります。
主演を演じたのはさわやか俳優の伊藤英明。脇役として、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、吹越満など大勢の注目の若手俳優から個性派俳優まで、数多く出演しています.
物語りの前半は、主人公の教師”ハスミン”が学校の様々な問題を次々と解決していく、どこかの「ごく〇ん」のような痛快教師ドラマ仕立て。 ところが中盤あたりから、”ハスミン”が本性を現す。
生徒の心理を利用して我欲を満たしたり、同僚の教師の弱みに付け込んで高級車を乗りまわしたり、障害となる人物を消したり…。 自分の思い通りに。全ての主導権を持ち自分に。思いのままに学校中をコントロールし始める”ハスミン”。
誰も、”コイツ”が全ての元凶とも知らずに学校は平穏な日々を送っていた。
そんな中、”ハスミン”の完璧さに不信を抱いた吹越満演じる教師の釣井と、染谷将太演じる早水圭介が、”ハスミン”の過去について探り出していた。謎の連続自殺、不可解な学職歴、そして学校での出来事…。
しかし、後日。釣井は電車内で不可解な自殺。早水圭介は急に行方不明。
学校中の至る所に、盗聴器が仕掛けてあったのだ。自分の脅威となる存在は消す。次第に”ハスミン”の本性と共に過去が明らかになってくる。
そして、学園祭前日。その事件は起きた…。
行方不明(殺したされた)生徒の携帯電話を、”ハスミン”が所持していたことが、女子生徒に知られてしまった。その事に危機感を感じた”ハスミン”は、クラスメイトが学園祭の準備をしている夜中に、学校の屋上へと呼び出し殺した。
あたかも、その女子生徒が自殺したかのように見せかけて…。
皆の所に戻ろうとして屋上の扉を開けると、一人の女子生徒が聞き耳を立てていた。
こいつも殺しておかなければ…。
立て続けに、2人を殺した”ハスミン”。その時、心の奥の悪魔が現れた。
映画を見終えての感想
あまり邦画は見ない主義でしたが、久しぶりにガツンとくる邦画を見た。元AKB48の大島優子が、「私はこの映画が嫌いです。命が簡単に奪われていくたびに、涙が止まりませんでした。映画なんだからという方もいるかもしれませんが、わたしはダメでした」(原文まま)と発言したことで話題になったが、気持ちはわからないくもない。
キ○ガイが弱者を殺しまくることを”売り”にしている映画なんてよくあること。日本という”非銃社会”が舞台だからこそこれだけ話題になったのだろうと感じた。
しかし、これがアメリカなどの銃が身近な国で上映されたらとんでもないことになるのでは?と思ったらこの様子。
とにもかくにも、邦画があまり好きじゃない私ですが、ある意味、心に響く邦画を見たと感じました。
恐怖、サイコ、ホラーが好きな人ならウケる映画ではないでしょうか。続編の噂もあるようですが、監督が作りたがっているようなので期待してもいいのかもしれませんね。
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