いきなりですが、精神保健福祉士という職業を知っていますか?精神保健福祉士とは、近年増えている鬱(うつ)や、幻想幻覚などを発症する統合失調症といった、精神障害患者に対して、心の病の治療を専門とする職業です。
社会福祉士、介護福祉士と並ぶ日本の三福祉士とされ、福祉業界では重要な役割を果たしています。
精神保健福祉士になる為には、保健福祉系の大学もしくは養成学校を卒業した後、国家資格の合格が必要となる。
試験の合格率自体は50%以上と比較的容易に思われがちだが、試験の受験資格までの道のりがとても厳しく、在学中に何度もレポート課題や試験もあり取得難関な資格のひとつでもあります。
そんな精神保健福祉士を目指している方に是非見てほしい映画
映画「人生、ここにあり!」はイタリアのとある精神病棟を舞台にした、ノンフィクションムービーです。
イタリアは世界で初めて精神病院をなくした国で、精神医療先進国とも言われています。
そんな精神医療先進国イタリアでは、どのようにして精神障害を持った患者と向き合っているのか?そして、今の日本の精神医療は正しいのか?
職種は違えど、同じ福祉でもある介護士として働く私にとって、この映画はいろいろと考えさせられる映画でした。
あらすじ
舞台は1983年のイタリアミラノ。労働組合員の主人公ネッロが担当になったのは元精神病院患者らで結成された協同組合だった。
精神障害を抱えながらも必死に何かをやり遂げようとする元患者たち。
普通のことすらやり遂げる事が難しい彼らに対し、ネッロは悩み苦しみながらも、絶対に希望だけは捨てずに真向から向き合った。
ネッロは仕事を通じ、人生とは?そして人生の楽しみ方を彼らに教えた。
徐々に彼らの仕事に対する意識が変わり始め、持ち前の明るさと真面目さで仕事の件数も順調に増えていった。
全てがうまく行っていた中、突如訪れた仲間の死。それを境にこれまで築き上げたチームワークは一気に崩れ、ネッロ自身もプライベートと重なり失意のどん底にいた。
そして組合は解散に追い込まれていく。
そんなある日、組合にとって一世一代の大きなチャンスが訪れる。
“Si Puo Fare”(シ・プオ・ファーレ)=やればできるさ!を合言葉に、1人の労働組員と精神障害患者が人生を変える!
みんなのレビュー
つらいけど笑って。つらいから笑って。
精神病患者たちを描いた実話というととてもシビアで難しい映画をイメージしてしまうかもしれませんがこの作品はイタリア映画らしいユーモアに溢れ途中何度も客席から笑いが起こりました。
とはいえ、精神病患者たちが抱える様々な問題にもきちんと焦点を当てていて様々な場面で深く考えさせられました。
実際、バザーリア法が制定されたもののグループホームなどの整備には地域差がありすべての精神病棟が閉鎖されたのは2000年になってからだったそうです。
難しい問題に真正面から取り組みながら決して明るさを忘れないこの映画自体のスタンスがとても心地よく、素晴らしいです。
そして、この素敵な物語が実話であるということが観た人全てにとても大きな勇気を与えてくれると思います。
by Kさん
人間のいいところ
本当に成熟した社会とは、きっといろんな人、いろんなことを受け入れられる社会なのではないか。すこしくらいズレてたって、受け止める。懐の深い社会。
自分と違う、人と違う。
確かに、学校なんかでは同じくらいの学力、地域のコミュニティであれば同じ生活レベルの世帯が揃っていた方が楽にまとまりそうだしうまくやれそうな気がする。しかしだ。自分と違う、人と違う
いつの間にか普通と言う言葉に当てはまらない人や物事を空気が読めないだの、異分子扱いが日常になった日本で人は生きやすくなったのだろうか?いくらかでも豊かになったのか?いろんな個性がごった煮になった社会でみんなぶつかったりトラブったりしながら
生きて行く。いっつもなんか事件が起きて、いっつも計画通りにいかないけど、そんなしっちゃかめっちゃかな日々に憧れる。この映画をみて、そんなことをまた考えた。
by nikubobsonsanさん
傑作。素晴らしい。
こんな素晴らしい作品を見る事が出来てよかったと、本当に思う。
痛みを背負いながら生きると言う事は、辛い。そんな中での一筋の光に、希望を見て助け合う姿はなんてひたむきで素晴らしい事何だろう。そんな良く考えると当たり前の事を
択一な俳優人キャラクターと演技、素晴らしいシナリオ、本当に心に残る映画ってこう言う映画の事を言うのだと、久々に思う映画でした。この作品が気になって居る方は、絶対見て下さい。by fumifumi19781005さん
ご紹介した以外にも100を超えるレビューが「Yahoo!映画 作品ユーザーレビュー」に投稿されています。総合点も4.61/5.00とかなりの高評価。
どちらかと言うと目を背けがちなテーマですが、私たちにとって、しっかり向き合うきっかけとなる一本だと思います。
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