平日の朝の通勤ラッシュ。電車内は満員で、もちろん座席は埋まっており、座れなかった人はつり革や手すりにつかまり電車に揺られている。
そんな中、優先席には誰も座らず空いている。まるで座るべき人の為にある予約席のように。
電車通勤のサラリーマンの方であれば、一度はこういった経験があるのではないでしょうか?
座りたいのに座れない
通勤電車で座りたいがために、ホームを走ったり、乗りたい電車を一本遅らせたり、下車しそうな人を見分け、隙をうかがったり…。
世のサラリーマンは様々な工夫を凝らして、電車で座ろうとしています。
しかし、優先席には「空いているからと言って座ってはいけない」という暗黙のルールが、どこか感じられます。
その為、多くの若者や中高年は優先席を避けて狭い隙間に体を押し込んでる状態。
お年寄りはお年寄りで、平然と普通席に座っている。それによって、普通席の競争率は更に高まる。
お年寄りによっては、自分は優先席に座るべき人間だという事に全く気付いていない人も多い。
このように、お年寄りやケガ人、妊婦の方が乗車していなくても、優先席には気安く座ってはいけないという誰が決めたのか分からないルールがどこか常識となっている。
優先席に座ってはいけないという決まりはない
優先席というあいまいな存在は、言い換えれば個人の判断にゆだねられた、極めてグレーゾーンな決まり。私的には、周囲にお年寄り、ケガ人、妊婦の方がいなければ、誰でも自由に優先席に座っても良いと考えます。
しかし、私の考え方は全ての人に共通する事ではなく、平然と座っている私を偏見の目で見る人もいるはずです。
そして「優先席に座っている自分」に若干の負い目を感じている自分もいる。
それでも私は声を大にして言いたい。優先席は廃止すべきだと。
電車内の席すべてを優先席にする
優先席は完全廃止すべきです。そのかわり、電車内の全ての座席を優先席にしてはどうだろうか?
「目の前に譲るべき人がいたら有無を言わず譲る」
こういった行為は、普通席とか優先席だからという問題ではない。「思いやりの国」でもある日本であれば、皆が心掛けるべきこと。
お年寄りの方、松葉杖をついているケガ人の方、妊婦の方には、今、自分が座っている席が普通席であろうと優先席であろうと譲るべきなんです。
そして、優先席というあいまいな存在は、こうした判断に一瞬の迷いを生む原因だと私は考えます。
「ここは優先席じゃないから、席を譲って欲しいのであれば優先席の前に行けばいいのに…」
このような考えに至る一番の理由は、優先席と普通席のように、形式だけで区別しているからなのではないでしょうか。
優先席がある事によって、譲り合いの心をダメにしているのです。
優先席という形式だけのルールではなく、「席をこの人に譲るべきだな」と思った時点で、優先席、普通席関係なく、直ぐに席を譲れるような素直な気持ちを尊重する「社会システム」を、我々はもっと考えるべきではないでしょうか。
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