スノーボード板を選ぶ時、あなたは何を重要視して選びますか?メーカーやデザインだけで選んでないですか?
スノーボード板は様々な用途を細かく考えられて、精密に作られています。それを知らずに買ってしまうと必ず後悔します。
スノーボード板の奥は深い
フリーラン、高速カービング、グラトリ、キッカー、パーク、バックカントリーなど、自分がどのようなスタイルのスノーボードを目指しているのかでも、選ぶ板は変わります。
スノーボードは上達が早いため、初めから自分の目指すスタイルを定めてから、板を選ぶことが重要です。
スノーボード板の形状は4種
まず、一番スタイルに影響するのがスノーボード板の形状です。形状の種類は、キャンバー、ロッカー、ダブルキャンバー、フラットキャンバーなどがあります。
キャンバー形状
キャンバーはスノーボード板の基本とも言われます。大げさに言うと、板のラインがローマ字の「W」のようになっており、中心か浮いている形状です。両足の踏ん張る力によって形状が変わるPOPキャンバーという板もあります。
キャンバーの特長は、安定性とエッジング。
接雪面が両足の真下の二点なので、直感的に板のコントロールができます。高くジャンプした後の着地も安定するので、キッカーなどを目指す方にはおすすめ。
また、スノーボードの基本中の基本であるカービングがやりやすいのもキャンバーです。両足でしっかり踏ん張ることができて、エッジが雪面を削っている感覚を身体に覚えさせることが容易です。
欠点は、初心者が一番恐れる「逆エッジ」が起こりやすいと言われているところです。ですが、逆エッジなんて初めのうちだけです。カービングのコツさえ掴めば、逆に逆エッジを起こすほうが難しくなるくらいです。
こんな人におすすめ
- スノーボードの基本をしっかり覚えたい
- 長く一本のスノーボード板を使いたい
- オールラウドにスノーボードを楽しみたい
- キッカーなどのジャンプを極めたい
ロッカー形状
キャンバーとは逆で、ローマ字の「U」のようなラインになっています。平面な地面に置くと、コマのようにクルクル回ります。UロッカーやVロッカーなど円弧の角度も様々あります。
特長は、接雪面が両足の間の一点なので、グラウンドでの様々なトリックが簡単にできることです。また、初心者が嫌いな「逆エッジ」が起きにくいと言われています。緩やかな傾斜ならストレスなく滑ることができます。
パウダースノーの上なら、まるで浮いているような感覚も得られるのも大きな特長です。
欠点はとにかく不安定なところ。接雪面が一点なので当然ですが、カービング時やジャンプ後の着地が安定しません。その中でもアイスバーンとの相性は最悪です。全くエッジが効かず、板のコントロールが困難です。
こんな人におすすめ
- グラウンドトリック(グラトリ)を極めたい
- バックカントリーでパウダースノーを楽しみたい
- とにかく逆エッジが怖い
ダブルキャンバー形状
その名の通り、キャンバーが二つ重なった形状で、ローマ字で「VVV」とVが3つ並んだようになっています。この形状の特長を簡単に言えば、「キャンバーとロッカーのいいとこ取り」です。
接雪面はロッカー形状と同じで板の中心ですが、両足の下もキャンバーように厚みがあります。平地ではロッカーの特長であるグラトリがやり易く、両足を踏ん張る斜面でのカービング時にはしっかりエッジングができる。
欠点はないのではと思われがちですが、ロッカーとキャンバーの両方を楽しめる夢の板ではありません。言ってしまえば、どちらも中途半端な板です。何かを極めたい人にはあまりおすすめできない板です。
こんな人におすすめ
- オールラウドにスノーボードを楽しみたい
- キャンバーもロッカーも捨てがたい
フラットロッカー(ゼロキャンバー)形状
最近出てきた比較的新しい形状。板のソール(裏面)全体が雪面にピッタリ接する形状です。昔はキャンバーボードの中心が雪面に接したら板の寿命と言われたいましたが、初めから真っ平らな板ができるとは驚きです。
この板の特長は、正直わかりません。しいて言えば、板が真っ平らで全面が雪に面して安定しているということでしょうか。パークのBOXやレールのような平らな面との相性はバツグンです。
欠点は、全面エッジングなため初心者は逆エッジ祭りになる事が予想されます。
こんな人におすすめ
- とにかくパークを極めたい
ツインチップとディレクショナルツイン
上記に加え、「ツインチップ」と「ディレクショナルツイン」というものがあります。これは、スノーボード板を真上から見たときの形状の違いです。
ツインチップ
ツインチップはノーズ(進行方向)とテール(逆方向)の形と長さが対称の板の事を言います。レギュラー(左足前)とグーフィー(右足前)を同じ割合で同じように滑る人、滑れるようになりたい人に適した形状です。
フリーラン、グラトリ、キッカー、パークを目指す人は、必ずこちらの形状にしましょう。
ディレクショナルツイン
ディレクショナルツインはテール(逆方向)より、ノーズ(進行方向)の方が長い、重心がテール側になるような形状です。
レギュラーとグーフィーのスイッチ(切り替えし)をしない、安定性、スピードを求める人に適した形状です。
高速カービング、バックカントリーなどアスリート寄りのスタイルを目指す人はこちらの形状をおすすめします。
柔らかい板と硬い板の特徴
希望の形状が決まったら次は、硬さです。硬さのチェック方法は、テールを足で踏み、ノーズを片手で抑え、もう片方の手で板の中心を押します。
ショップなどでいくつかやってみると違いがわかると思います。折れることはまずないので、ガンガン試してみましょう。
柔らかめがおすすめ
フリーラン、グラトリ、パークなどの比較的低速でのトリックを決めるスタイルを目指す人。板のコントロールも柔らかい方がしやすいので、初心者の方には柔らかい板をおすすめします。
硬めがおすすめ
高速カービング、キッカー、バックカントリーなど滑走時、着地の安定性が必要なスタイル。アグレッシブなライディングをする方はこちら。
ターンや着地で板にかかる負担が大きい場合、板が柔らかすぎるとすぐに形状が変わって思うよなコントロールができません。比較的脚力が強い方はあらかじめ硬い板をおすすめします。
板の長さの目安は?
お目当ての板が決まったら最終段階です。自分の体形、筋力、目指すスタイルに合った板の長さを選びます。たかが数センチと思われがちですが、板の性質はミリ単位で変化します。
一般的にスノーボード板を選ぶ基準は「慎重-20cm」で、板を立てて自分のアゴ下あたりの長さがいいと言われていますが、これを信じて購入すると上達は遅れます。
板は短ければ短い方がコントロールしやすい
長い板と短い板だと、当然短い板の方がコントロールしやすいですよね。だったら短くしましょう。現に、私は身長178cmですが148cmと145cmの板を使っています。一般的なら最低でも155cmの板でなければいけないのにそれより10cmも短い板です。
これまで、レンタルや友人の板など何十本の板に乗ってきましたが、結論、短ければ短いほどストレスなく板をコントロールできると感じました。コントロールがしやすいのでスノーボードの感覚を早くつかむことができます。そして、なにより楽しく滑れます。
短くするなら注意すべき事
「だったら男性でも140cmのレディースの板を使えばいいじゃん」と思いますよね。それがダメだから男性用のスノーボード板があるのです。
ひとつは足のサイズです。一般的に、女性より男性の方が足のサイズは大きいです。それに合わせて、板の幅も大きく違います。板にバインディング(ビンディング)を付けて、ブーツで乗った時、つま先とかかとが大きくはみ出している場合はNGです。
カービングやターンに支障が出ます。のりしろ1~2cmまでは妥協できる範囲ですが、それ以上は危険ですのでやめましょう。
もうひとつはスタンス幅です。スタンス幅とは、板に乗った時の股の開きです。スタンス幅は、足の長さ、股関節の柔らかさ、脚力などの個人の体質によるものや、自分が目指すスノーボードのスタイル、板の性質などでも変わってきます。
それぞれ個人が自分に適したスタンス幅を持っているのです。それが、男性なのに女性用の板を使おうとすると、十分なスタンス幅が取れない場合があります。身長178cmの私が使っている145cmの板は、限界までスタンス幅を広げて丁度いい状態です。(できればもう少し広げたいほど)
スタンス幅は、実際にバインディング(ビンディング)とブーツを付けて、実際にゲレンデで滑ってみて初めて分かることです。板の長さを決めるときは、男性なら男性用の板の中から短めのものを選ぶようにしましょう。
まとめ
初めはデザインや色、メーカで選びがちのスノーボード板ですが、一番大切なのは自分に合った性質の板なのかということです。
安い板や3点セットの板、カワイイ板やカッコイイ板を選びたい気持ちはわかりますが、少なくても今シーズンずっと使う板ですので、少しでも上達できる板を選ぶことをおすすめします。
その他のスノーボード板に関するご質問も受け付けていますので、下記のコメントフォームより質問して下さい。それでは、今年も楽しいスノーボードライフを!
記事のコメント
大変分かりやすい内容で助かります!
40代後半でスノボーにのめり込んでしまいましたが、今使っているものが重くて疲れてしまいます。
軽くて柔らかいものをと思っていますが、ちょっと太めで足のサイズも大きいので、メンズの方が良いのかな~と考え中です!
教えていただけると助かります!
こめんとありがとうございます!趣味に年齢なんて関係ないですよね!素敵です!
板もそうかもしれませんが、バインディングやブーツも見直したほうが良いかもしれませんね。
あとは、よっぽど身長が高くない限りレディスの板で良いと思いますよ!170cm〜であればメンズでも良いかもしれませんが、レディス板のほうが軽くて柔らかく設計されているので、希望に合うと思います!ご参考までに!
アドバイス有り難うございます!
見直して楽しく滑りたいと思います!
ボーダーの方は皆さん優しくてゲレンデでも助かります!
初めまして。ボード歴は短いのですがとても分かり易い記事でしたので
場所違いかと思いますが、板についての質問をさせて下さい。
身長160の女子で体重50以下、脚力普通。
グラトリバター、スピンを練習するための板を探しています。
パウダーやカービングもある程度は滑りたいです。
板が軽く、安定感が多少あり、柔らかめを探しています。
神田のお店にも行く予定ですが、おすすめどれになりますでしょうか?
分かる範囲で構いまいませんので、どうぞよろしくお願いします。
①OGASAKA CT-M ②YONEX 4XP ③PARKSHREW ④NOVEMBER D4 ⑤ARTIST ⑥SALOMON OH YEAH! ⑦DEATH LABEL TRUSTGIRLS ⑧SABRINA ASHLEE
コメントありがとうございます。
女性の板事情はあまり詳しくありませんが、DEATH LABEL TRUSTGIRLSなんか良いんじゃないですかね?適度に柔らかく、キャンバーなのでカービングもいけると思います。YONEX 4XPはニコさんの希望に合ってると思いますが、やや硬いと感じるかもです。あとはグラトリでOGASAKAを選ぶ人は少ないと思いますよ。ご参考までに。
ありがとうございます!
TRUST GIRLですね。お店で探してきます☆
スノーボード好きが高じて、スノーボードに関する記事をネットでひたすら見るのがもはや一つの趣味になっているのですが、今まで見た板の形状についての記事の中で一番わかりやすかったし、参考になりました。素晴らしい記事、新しい視点に出会えて嬉しくなったので、コメントした次第です。
もし可能であれば、ブーツの硬さ、柔らかさについても取り上げていただけますと幸いです。硬いブーツと柔らかいブーツの見分け方がいまいちわかりません。
わたしも基本的にはヒトリストです。お互いに良いシーズンにしましょう!!
嬉しいコメントありがとうございます!自分もゲレンデで滑るよりも板やバインを調べることが趣味になっています笑
ブーツにも硬さありますよね~ちょっと調べたりショップ店員さんに聞いてみます!
今シーズンもケガに気を付けて楽しみましょう!
先日はコメントのお返事が頂けて嬉しかったです。
わざわざありがとうございます!!
やっとスノボ記事全部見たんですが、この記事見る前にクソな二流板をオクで購入してしまいましたww
今回の板は練習用にして次買う時は参考にさせて頂きます!!
お手入れ方法は本当に勉強になりました。色々買います♪
また、クレクレ野郎で申し訳ないんですが
主観でいいのでブランド比較のご意見や使ってみえる道具の感想何かもいつかお聞きできるといいなー何て思っています。
(自分はまだスノボ鼻糞くらいのレベルですがw)
お仕事大変そうですが応援しております!!
良い方向に進める事を心より願っております。
むらいさん
コメントありがとうございます!あんな記事でも見て頂けるなんて本当に嬉しいです!
私も一番初めの板は2点セットで1万円というやつでした!初めはそんなモノでいいんです!スノーボードギアは消耗品なのでぶっ壊れるまで使い倒しましょう!
こんなヒトリストのヘッポコボーダーの意見でよければ何なりと!また購入の時にでもご連絡頂ければ個別でメール返信しますね!毎年10月辺りからネットショップを巡回して、実際に店舗に出歩くほどのギアマニアなので、多少はお力になれるかと思いますw
それでは宜しくお願いします!