介護とは、何かをやって終わりのような一過性のことではなく長期的な考えをもって向き合うことが大切です。今は症状が軽く要支援として認定されていても、将来的には認知症が悪化したり、怪我や病気の併発で身体介護が必要にあり、要介護になることも十分に考えられます。
症状が進行しないようにすることが理想的な介護ですが、今後のことは誰にも分かりません。万が一を想定して、あらかじめどうするかを考えておくことも必要です。
高齢になって介護が必要になるということは自然の流れ
高齢者における介護は病気と違って、症状が回復するということはあまり望まない方がいいでしょう。むしろ、介護が必要になった場合は、少なくても徐々に症状は悪化していくのが一般的。去年は手すりにつかまりながらもトイレまで歩けていたのに、今では車椅子がなければ移動すらできないなど、人によって症状の進行の速さは様々です。
でも、それは高齢者としてごく自然なこと。認知症だから、病気だからというわけではなく、高齢による症状だと考えてください。ですので、認知症治療や生活機能訓練といったリハビリは、症状の改善ではなく、これ以上、症状が悪化しないための介護予防ととらえる方がいいでしょう。

早い段階から無理をしない介護を心がける
長期的な介護には、介護される本人の気持ち、そして介護する家族の気持ちがとても重要になります。家族が介護そのものを辛いと思ってしまうと、介護される本人の気持ちにも影響します。最悪の場合、介護する家族が鬱(うつ)になり、共倒れとなるケースも実際に多く起きています。
介護をするということは、決して楽なことではありません。はじめは気合を入れて取り組んでいても、終わりの見えないない介護の中で、最後の時までしっかりやるというモチベーションを維持することはとても難しいことです。
仕事をしながら、または在宅でも介護できると無理をしたり頑張ったりするのではなく、介護保険サービスを積極的に利用したり、介護の症状が軽い場合でも老人ホームへの入居を検討したりと、早い段階から無理をしない介護、誰かに頼って極力頑張らない介護を心がけることが大切です。

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