介護福祉士は、社会福祉士、精神保健福祉士と並ぶ国家資格の三大福祉士とも言われており、介護職で唯一の国家資格です。
高齢化社会が急激に加速した今の日本では、価値のある資格として今後もますます資格取得者の需要が拡大することが予想されています。
介護福祉士を取得すると介護士の給料は上がる
「介護士の給料は低い」という声をよく耳にしますが、介護福祉士を持っていない介護士が正社員として何年働いたといても、おそらく満足のいく給料をもらうことはできないでしょう。介護業界では資格がものを言います。
求人によっては介護福祉士を持っていない介護士を「介護スタッフ」と呼び、介護福祉士を持っている介護士を「介護福祉士」と呼びます。これは同じ介護士での職業が違うと判断する施設があるほど、任せられる業務も大きく異なるという証でもあります。そして給料にも差が出てきます。
介護職員初任者研修を取得することが介護士になるための大前提であれば、介護士としてキャリアアップをめざなら介護福祉士の取得が必要になります。介護職で高収入と安定したポジションを目指すのであれば、国家資格の介護福祉士は絶対に取得しておきたい資格です。
介護福祉士は介護職における上級資格
介護士に関する資格をランクにして表すのであれば、介護職員初任者研修が初級、実務者研修が中級、介護福祉士が上級といった位置関係となります。
当然ですが、資格のランクが上がるにつれハードルが高くなり、取得にかかる時間やお金も増えることでしょう。ですが、それに見合った給料であったり、役職も十分に期待できます。
また、近いうちに認定介護福祉士という新しい資格も新設されることが決まりました。認定介護福祉士とは、介護福祉士のさらに上にあたる資格で、現場で働く介護士の仲では最上級資格となります。
認定介護福祉士になるには介護福祉士を取得していることが大前提で、かつ実務経験が7~8年、現場でのリーダー実績、在宅介護と施設介護の両方の経験など、それなりにハードルも高くなっています。
ですが、噂によれば認定介護福祉士は公務員と同等の扱いになり、給料やボーナスも破格になるとも言われています。
認定介護福祉士になれれば相当な高待遇が約束されることは間違いないので、早めの段階で介護福祉士を取得しておいたほうがいいかもしれません。
介護福祉士になるには?
介護福祉士になるには、大きく分けて3つのルートがあります。
- 実務経験ルート
介護等の業務に3年以上従事した経験を有し、かつ実務者研修を修了し、国家試験に合格した場合 - 福祉系高校ルート
福祉系高等学校の指定された教科目・単位数を修めて卒業し、国家試験に合格した場合 - 養成施設ルート
介護福祉士養成施設を卒業し、国家試験に合格した場合
平成27年度の第28回試験までは、養成施設ルートの国家試験は免除となり卒業で介護福祉士になれたのですが、平成28年度の第29回試験から試験免除の制度は全面廃止となり、すべてのルートにおいて、介護福祉士になるには必ず国家試験に合格しなければならなくなりました。
また、同時に平成28年度の第29回試験から、実務経験ルートで介護福祉士を目指す場合、実務者研修を修了していなければ、受験資格を得ることが出来なくなり、事実上、介護福祉士へのハードルは格段に上がったことになります。
介護福祉士試験の内容
介護福祉士試験は筆記試験と実技試験の2つの試験があり、その両方に合格しなければ介護福祉士にはなれません。筆記試験は毎年1月、実技試験は3月に行われ、試験は年に一回だけです。つまり筆記試験か実技試験のどちらかが不合格だと、次のチャンスはまた1年後ということになります。
また筆記試験には合格したけども、実技試験が不合格だった場合でも、次回の試験はまた筆記試験から受験する必要があります。ですので、介護福祉士を目指すのであれば、1回の試験に集中して、絶対に合格するつもりで挑む必要がありそうです。
絶対に合格するための受験対策講座
介護福祉士の資格取得を目指すのであれば、受験対策講座の受講がおすすめです。介護福祉士を保有しているプロの講師から、試験のポイントや出題傾向などを学び、万全の状態で試験に挑むことができます。
学習スケジュール管理や模擬試験の受験なども受けられるので、独学での勉強では不安という方にはピッタリな講座です。
実技試験が免除になる実務者研修
介護福祉士の最大の難関と言われているのが実技試験です。筆記試験には合格したが実技試験がダメだったという人も少なくありません。そんな実技試験を免除する方法こそが実務者研修です。
第29回試験から実務経験ルートの場合、実務者研修の修了が必須条件となりますが、現時点ではその必要はありません。そこで制度改正前に実務者研修を取得するメリットとして、実務者研修の修了者は実技試験が免除とされました。
実務者研修の修了が必須条件となった後の実技試験の免除についてはまだ明確ではありませんが、確実に一回で介護福祉士試験に合格したいのであれば、実務者研修の取得も検討する余地がありそうです。
介護福祉士受験対策講座のスクールと受講料の一覧
介護福祉士講座はあくまで対策講座のみです。介護職員初任者研修や実務者研修のように資格の取得はカリキュラムに含まれておりません。つまり塾や予備校と同じような位置付けになります。ですので、自分が受けたいサポートを選んで申し込むといった形になります。
介護福祉講座の費用は様々で、学校やコース、通信なのか通学なのかによっても大きく違ってきます。時間をかけてゆっくり勉強したいかたは通信がおすすめ。短期間で集中的に勉強したい方は通学がおすすめです。
各学校の公式サイトとパンフレットを参考に、受講料金を比較してみました。金額はキャンペーンなどによって変動するので、正確な受講料金は資料請求でご確認ください。
学校名 | コース | 受講料 | 受講期間 |
ニチイ | 通信 | 26,400円 | 2~6ヵ月 |
通信+通学 (教育訓練給付制度対象) | 37,400円 | 2~6ヵ月 | |
三幸福祉カレッジ | 通信(Web学習コース) | 27,500円 | 1~4ヶ月 |
通信(筆記通信コース) | 36,300円 | 1~4ヶ月 | |
通学(完全マスターコース) | 187,000円 | 1~4ヶ月 | |
通学(ポイント速習コース) | 62,700円 | 1~4ヶ月 | |
オプションコース(全国統一模擬試験(会場模試)) | 18,700円 | 1~4ヶ月 | |
オプションコース(よく出るキーワード解説動画) | 16,500円 | 1~4ヶ月 | |
オプションコース(全国統一模擬試験(自宅模試)) | 15,400円 | 1~4ヶ月 | |
オプションコース(直前対策講座 (通学コース・動画コース)) | 11,000円 | 1~4ヶ月 | |
ユーキャン | 通信 (教育訓練給付制度対象) | 49,800円 | 6ヶ月 |
未来ケアカレッジ | 通学 | 35,750円 | – |
通学コース+WEB演習問題 | 56,650円 | – | |
ヒューマンアカデミーたのまな | 通信 | 48,000円 | 3ヶ月~6ヶ月 |
コース例①:介護福祉士 筆記試験対策講座
カリキュラム | 通信 + 模擬試験 + 質問サポート |
受講費用 | 20,000円~ |
受講期間 | 2ヶ月~ |
特徴 | 自宅に届くテキストや問題集を使って勉強する 介護福祉士の筆記試験直前に模擬試験を受験 分からないことは講師にメールや電話で質問可能 |
コース例②:介護福祉士 完全対策講座
カリキュラム | 通信 + 模擬試験 + DVD + 質問サポート |
受講費用 | 48,000円~ |
受講期間 | 3ヶ月~ |
特徴 | 筆記試験対策講座に加えDVDによる実技試験対策も行える 介護福祉士の筆記試験直前に模擬試験を受験 分からないことは講師にメールや電話で質問可能 |
コース例③:介護福祉士 実技試験対策講座
カリキュラム | 通学 + 実技模擬試験 + 質問サポート |
受講費用 | 30,000円~ |
受講期間 | 2日間~ |
特徴 | 講師陣が直接指導 本番を想定した実技模擬試験 |
コース例④:介護福祉士 完全対策講座
カリキュラム | 通学 + 模擬試験 + 実技試験対策 + 質問サポート |
受講費用 | 43,000円~ |
受講期間 | 4日間(筆記3日+実技1日) |
特徴 | 筆記試験対策と実技試験対策がセットになったコース すべての講義を通学で行う |
介護福祉士国家資格の取得方法
介護福祉士の資格取得までの流れをご紹介します。介護福祉士になるには全部で3つの方法があり、それぞれ内容も全く異なります。
どのルートが自分に合っているかをしっかり理解して、最短最安値で介護福祉士国家資格に合格できるか見極めましょう。
介護福祉士国家資格の取得方法:実務経験3年ルート
中途入社がほとんどの介護業界では、介護福祉士になるために実務経験3年以上のルートを選ぶ人が大半です。
実務経験3年以上ですが正確には、介護福祉士の筆記試験日までに従業期間1095日以上で従業日数が540日以上とされています。つまり3年以上介護職で働き、540日以上介護業務を行ったという事実が必要になります。
3年間で540日以上の勤務とは週平均3.6日以上の出勤となります。正社員であれば心配ありませんが、パートや派遣社員の場合は勤め先に確認して、実働日数を計算してもらう必要があります。
従事日数内訳証明書が必要になる
実務経験3年以上を証明するために、従事日数内訳証明書(指定様式)を勤務先に発行してもらう必要があります。
従事日数内訳証明書はどの介護事業所でも用紙設置されているので、事務の人または責任者に「介護福祉士試験を受けるので従事日数内訳証明書をください」と一言いうだけで伝わると思います。
途中で転職したという方は、勤務していた全ての事業所に問い合わせて郵送してもらうか直接取りに伺いましょう。
実務者研修の修了が必須条件
また実務経験3年以上という規定に加え、2017年1月実施の第29回介護福祉国家試験からは、介護福祉士国家試験の受験資格を得るために実務者研修の修了が必須となっています。
当面の経過措置として、実務者研修を修了することで介護福祉士の実技試験が免除されることとなっていますが、いつまで実技試験が免除となるかは未定ですので早めの受験をおすすめします。
介護技術講習は廃止になった
016年1月実施の第28回介護福祉国家試験までは、介護技術講習という研修会が全国各地で実施されて、介護技術講習会に参加することで実務者研修を修了したと同等の扱いとなっていました。
介護技術講習会の参加費用も5万円~7万円前後と安く、研修期間も4日間とかなり短くなっており、実務者研修を受講するよりも断然お得でした。
ですが、実務者研修の修了が必須となったと同時に、介護技術講習が廃止となりました。つまり、今から実務経験ルートで介護福祉士の取得を目指すのであれば実務者研修を修了するしか方法はないということです。
介護福祉士国家資格の取得方法:福祉系高等学校ルート
中学を卒業後に福祉系の高校に入学するルートです。
一部の特例高校では、卒業後9ヶ月以上の実務経験(273日以上の在籍・135日以上の実働)がなければ介護福祉士国家試験の受験資格が得られませんが、それ以外の福祉系高等学校であれば2009年から導入された新カリキュラムによって、卒業と同時に介護福祉士の受験資格が獲得でき、さらに実技試験は免除となっています。
介護福祉士国家資格の取得方法:養成施設ルート
厚生労働省の指定を受けた学校のことを養成施設といいます。養成施設を卒業することで、国家試験の受験資格を得ることができます。介護福祉士の養成施設には、四年制大学、短期大学、二年制の専門学校、三年生の専門学校、公共職業訓練校があります。
2016年1月実施の第28回介護福祉国家試験までは、養成学校を卒業すると無試験で介護福祉士が取得できましたが、2017年1月実施の第29回介護福祉国家試験からは養成施設卒業でも国家試験に合格しなければ介護福祉士が取得できなくなりました。
国家試験を受けなければいけなくなりましたが、養成施設卒業の場合の実技試験の免除は継続されていますので、そこまでの大きくハードルが上がったということでもなさそうです。
実務経験3年ルートで国家資格の取得する人が最も多い
第26回介護福祉士試験の受験者数は154,390名で、そのうち149,352名が実務経験ルートと96.9%の受験者が実務経験ルートから介護福祉士試験に挑んでいます。
社会人であれば大学や短大、専門学校といった養成施設に入学するといった選択肢もありますが、学費や時間を考慮すると現実的ではありません。
また、2017年1月実施の第29回介護福祉国家試験からは養成施設卒業でも受験必須となることから、介護福祉士になるために進学するといったメリットも少なくなりそうです。
つまり、社会人が介護福祉士を目指すのであれば、3年間実務を経験してから国家試験に挑む方法が最善でしょう。実務者研修についてもっと詳しく知りたい方は「実務者研修のページ」を参照下さい。
介護福祉士受験対策講座を利用した方の口コミ
ご存知の通り、介護福祉士試験の最大の難関は筆記試験のあとの実技試験です。お恥ずかしい話ですが、私は過去に3回介護福祉士を受けており全てに落ちています。ちなみに筆記試験は3回とも90点以上の合格です。ですが、どうしても実技試験で落ちてしまいます。慣れない雰囲気に緊張してか、アイマスクをしている試験官に柔道の大外刈りをしてしまったとこもあります。原因は明らかな練習不足。職場と試験は全くの別物で、介護経験はあまり関係ないような気もします。さすがにこれ以上落ちると職場でメンツが保てないので、実技試験対策講座に申し込みました。頑張ります。
誰かに管理されないと絶対に勉強しない性格の私。独学という選択肢もありましたが、通信講座に申し込むことで丁度良いプレッシャーになりました。教材のテキストはスクールオリジナルでしっかり作られている印象です。ちなみに介護業界はすぐに変わるので過去問を極めるのはリスクらしいですよ。あとは、講師の方が今年の問題を予測して作成した模擬試験が大きかった。改正後の介護保険制度についてや比較的新しい小規模多機能型居宅介護施設についても綿密にリサーチされたんだなって感じました。分からないことがあればすぐに相談でき、効率的に勉強できました。最初は独学で受験するか迷ったのですが、受講して良かったと思います。生徒同士や講師の方との繋がりができたことも大きい収穫ですね。
普段は有料老人ホームので働いており、とてもじゃありませんが勉強する時間が全くありません。筆記試験は独学で挑もうとテキストを購入したものの、一度も開かずに試験一ヶ月前に。さすがにこれではヤバイと思い、重たい腰に鞭を打って短期集中の介護福祉士セミナーに申し込みました。通信もありましたが時間もないので通学の3日間みっちりコースをチョイス。「こんなギリギリな人は自分だけかなぁ」と思っていましたが、クラスには結構な人数の方が居て安心(^ ^;) やっぱり自分でやるより人から教わった方が頭に入ってきますね。その後の試験も模擬試験が効いたのか、無事に介護福祉士を取得することができました。時は金なりです。今年を逃したらまた来年ですからね。
介護福祉士受験対策講座で合格を目指そう!
介護福祉士試験は筆記試験と実技試験の二つの試験に合格しなければなりません。筆記試験では介護士業務に関する常識問題から、最新の介護保険法改正で追加された業態に関する問題まで出題されます。移り変わりが激しい介護業界ですので、過去問題だけを解いていれば合格できるといった甘いものではありません。
また、実技試験では毎回のように受験者の意表を突くシチュエーションで高齢者を対象にした実技試験が出題されますので、例え緊張せずともかなりの難易度となっています。
そこで、ぜひとも受講しておきたいのが介護福祉士試験の対策講座です。介護福祉士講座を開講している学校は全国で数千ヵ所以上あり、平日コースから夜間コースなど種類もさまざまです。
費用に関しては、2ヶ月前から学習開始をする直前集中型が数千円から、4ヶ月前から学習開始する標準学習型が数万円~、8ヶ月前から学習開始する長期学習型が10万円前後などあります。資格取得を目指す方の中には、働きながら学校に通う人も多く無理なく試験対策が受けられます。
もし学校選びに迷っているなら、シカトルで資料請求してみてはいかがでしょうか?お住まいの地域で介護福祉士受験対策講座を行っているスクール、受講料、その他特典などを無料で紹介してくれますよ。
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